インスタグラムで人気の「真上」「ましかく」の料理写真のナゾ

先日、東急プラザの銀座に寄った際に、何気なくレストラン案内の写真一覧を見ていたら、「真上」の料理写真が増えてきていることに、気が付きました。インスタグラム（Instagram）では、「真上」が多いことは知っていますが、メニューにまで浸透していることに、驚きでした。

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確かにオシャレだけど、オシャレな料理って何? レストランだったら、美味しそうな料理写真を見て、お店を決めるよね。「真上」から見ても、美味しいって感じるもの? あれ? 私の感覚、世間とズレてる？

そこで、インスタなどSNSを一切していない私が推測する「真上」「ましかく」写真のナゾについて考えてみました。

• 人気の「真上」「ましかく」の料理写真とは？

最近の料理写真は、「真上」「ましかく」が人気。「真上」からの料理は、食べる時に見ない角度。人はそこに新鮮さを感じます。「ましかく」が流行り始めたのは、インスタグラムの影響が大きいです。

「ましかく」に、新鮮さを感じる理由が他にもあります。人間の目は横に2つ付いているため、横位置写真は普段見慣れている切り取り方。縦位置は、少し新鮮だけど、今まである構図。

でも、「ましかく」は、目では見ることはない、景色の切り取り方。非日常的で、とっても新鮮に感じます。（横位置で非日常を撮るのが、一番むずかしいんだよ、実際はね。）

思い返せば、昔、流行ったポラロイドカメラも「ましかく」。その世代は懐かしくて新鮮、若い人はレトロで新鮮と、感じるのではないでょうか。

つまり、「真上」「ましかく」は、今までとは違う構図。新鮮な感じが、「なんかオシャレ～」になる訳です。今の料理写真は、オシャレが1番で、美味しそうは2番なのです。

• 「真上」「ましかく」が流行る本当の理由

スマホで写真を撮ると、一眼レフと違って、背景がボケません。料理の斜め上から撮ると、ごちゃごちゃした背景が気になります。おしぼりやゴミ、伝票が写らないように片付けますよね。それでも、背景が気になることがあります。他人の写り込みとか。

「真上」なら、背景は料理のすぐ下にあるテーブル。ごちゃごちゃした背景になることはありません。スマホ+料理写真は、「真上」との相性が良いことが分かります。

「ましかく」については、ずばりコレ。余白（空間）のとり方が簡単なのです。写真の知識（構図）は、いりません。料理をど真ん中におく、左右上下に少しずらす。選択肢は2つだけ。

「真上」「ましかく」の料理写真が流行る本当の理由は、誰でも簡単に真似できる構図だということ。

• 簡単な「真上」にも、合わない料理がある

どんな料理写真も「真上」が合うとは限りません。高さのある料理、中身を見せたい料理は、「真上」が合いません。私が大好きなグルメバーガー。中身を見せたいので、斜め上から撮ります。

オシャレ感が足りない料理は、そもそもインスタグラム向きではありません。インスタグラムのヘビーユーザーは若い女性。彼女たちの乙女心をくすぐる料理を撮ることが、「真上」「ましかく」では大前提。

例えば、丼・ラーメンは、美味しいけど、乙女心には響きません。それを「真上」「ましかく」で頑張っても、オシャレは生まれません。

だったら、美味しさだけでも伝えたいところ。しかし、彩りが少ない料理を写真で見ると、美味しそうには見えないのです。茶色いほど美味しいのに、茶色いごはんを美味しく撮るのは、むずかしい。

しかし、彩りのある丼・ラーメンの「真上」「ましかく」は、ギリOKにしませんか? 丼からあふれる地魚は、オシャレ感はないけど、まずそうには見えませんよね。

「真上」「ましかく」は、最低でも、彩りを意識すると良さそうです。まぁ、イマドキの素敵女子は、丼を食べても、SNSにアップしないのかもしれませんが。

• 「真上」「ましかく」から分かること

・インスタグラムの影響大
・女子受けする料理を撮ること
・オシャレがキーワード
・彩りがあること
・新鮮な構図
・誰でも真似できる簡単な構図

• 構図やテクニックより大切なこと

写真は人に見せることを前提としています。人に見せなければ、自分だけが分かる写真でかまいません。下手でも、いいのです。人に見せるから、上手くなりたいと思うのです。

写真で一番大切なこと。
「伝えたい」ことが、見る人に「伝わる」かどうか。
「伝えたい」写真ではなく、「伝わる」写真であること。

その写真で、「伝えたい」ことは、ありますか？ その写真は、「伝えたい」ことが、「伝わって」いますか？

以上、私が考える「真上」「ましかく」の料理写真のナゾでした。